こんにちは、itofukuです。今日は、お店に登場している新作ケーキ”エヴォカオ”をご紹介します。このケーキは、ケーキの名前の通り“Evocao”というチョコレートが主役!
1.Evocaoってどんなチョコレート?
Evocaoは、100%カカオフルーツのみの原材料で作られている爽やかな酸味とフルーティーな味わいのチョコレートです。
「100%ピュアカカオフルーツ??」って何?
通常のチョコレートによく入っている白砂糖、レシチン、バニラ、香料など。カカオ以外のものは、一切使用していないチョコレートなのです!
自然な甘みは、最高品質のカカオフルーツのパルプ(今まで廃棄されていた果肉部分)から。
このチョコレートは、サステナブル!
何世紀ものあいだ、カカオフルーツはチョコレートの原料となる種(カカオ豆)の部分のみが使われ残りの70%は廃棄されてきました。このEvocaoというチョコレートは、カカオフルーツ全体の25%をアップサイクル。生産者に新たな収益をもたらすことにも繋がっています。
Evocaoはサステナブル!
Evocaoは、カカオバリーとカボスナチュラルズの提携から生まれた”ホールフルーツチョコレート”
カボスナチュラルズは、サスティナビリティプログラム”ココアホライズン”に参加するエクアドルの生産者コミュ二ティと連携し、最高品質のカカオフルーツの調達と小規模農家450軒の”生活の質(QOL)”向上に貢献している。
カカオフルーツ全体のうち、
パルプ(果肉)が25%
カカオ豆(種)が30%←今まではこの部分のみしか使用されていなかった。
カスカラ(皮部分)45%
このカスカラと呼ばれる皮の部分も同様にアップサイクルし、カカオフルーツ100%アップサイクルを早急に実現するプロジェクトが始まっているそうです。
2.新作Gâteau”エヴォカオ”について
Evocaoの最大の特徴は、フルーティーな酸味。
私は、このフルーティーな酸味を引き立てるレシピを考えるのに半年近くかかりました。。。
初めてこのチョコレートを食べたとき、思ったことは「すごい酸味…。」今まで食べていたショコラではなかなか味わえなかったカカオフルーツそのものの風味でした。当店で働く4、5人のスタッフと試食しましたが、みんな声をそろえて”酸っぱい”という感想でした。
「香りが、強すぎるものと合わせるとEvocaoの良さが消えてしまう。」「カカオマスなど加えてカカオ感を強調するのも違うな…」と、かなり悩みました……。
また、このチョコレートはデリケートで40℃以上に溶解出来ないという特徴もあります。
このチョコレートを最大限に生かすために考えたこだわり!
★オレンジサンギーヌを主体に3種類の柑橘系をブレンド
※フレッシュ感を大切にするため、凝固剤にゼラチンは使用していません!
★ジャスミンの香り(ミルサーで粉砕して使用。)
★ケーキ本体に小麦粉を使用していません。側面のシュトロイゼル(クッキー)には使用。
ケーキ底面のザクザクした食感は、米粉とホワイトソルガム粉とアーモンドが主体。
“オレンジサンギーヌのジュレ”は、オレンジサンギーヌ、クレモンティーヌ、オレンジコンサントレの3種類をブレンド。
ペクチンで凝固することによって、動物系タンパクのゼラチンで固めるよりもフレッシュ感が味わえるように。
ペクチンはLMとHMなど種類があります。今回使用したのは、ジャム用のペクチンです。
ちなみにHMペクチンは、パート・ド・フリュイ等に使用します。
”ジャスミンのクレームブリュレ”は、マイクリオ(カカオバター)で凝固。ゼラチンよりも融点(カカオバターの融点は、34.5℃)が高くショコラのムースと一緒に味わうことが出来る。
グルテンフリーのEvocaoのビスキュイ生地にも、パウダー状にしたジャスミン茶葉を混ぜ込んで焼成しています。
生地は最後まで口の中に残るので、ジャスミンの香りを持続させるため、ビスキュイ生地にも加えています。
Evocaoのケーキ本体に、小麦粉を使用していないのは小麦の香りとグルテンがEvocao の良さをかき消してしまうと考えたため。味、香りにクセがなく素材の香りが生きやすいホワイトソルガム粉と米粉を使用しています。
隠し味に、オレンジ蜂蜜とサンレミーブランデー60°1を使用。ケーキ全体をブランデーが奥行きのある味わいに変化させてくれています。
Evocaoのフルーティーな酸味とオレンジの爽やかな酸味、そこにジャスミンの香りを纏わせることでバランスのとれた味わいのgâteauに仕上がったかなと思います。期間限定で販売しておりますので、機会があれば召し上がってみてください!